南新町商店街菊池寛通りの交差点にある「永森時計店」
店主の永森さんにオススメの本を教えてもらいました。
◎血液型の説明書(Jamais Jamais)
◎いつもいっしょに(いもとようこ)
◎泣いたあかおに
◎聖☆おにいさん(中村光)
写真の本以外にもお話している間に「この本もいいよ」と教えてくださった本もいくつかありましたのでいっしょに紹介していきます。
◎血液型 自分の説明書
2007年〜2008年に出版され、ベストセラーになった本です。
血液型別に性格や特徴が書かれ、「そうそう、△型の人ってこんな人!」と身近な人に当てはめたりするなど、当時話題になりました。
永森さん「血液型がこんなに分かれてるのも日本人くらいのものだから、血液型占いやこういう説明書みたいなものが流行るのも日本っぽいよね」
調べてみたところ、
「日本人におけるABO式血液型の割合は、おおよそA型40%、O型30%、B型20%、AB型10%といわれています。」
(一社 日本血液製剤協会HPより)
一説によるとアメリカ人はA型とO型が大半を占め、コロンビア・ベネズエラにおいてはO型が100%になるとか。
「血液型で性格が違う」
長い年月を経てもさまざまな議論が沸き起こる話題ですが、自分のことをよく知るきっかけとして、血液型から入ってみるのも面白いかもしれませんね。
◎泣いたあかおに
人間と友達になりたい赤鬼のために村で暴れた青鬼。2人の算段により、赤鬼に人間の友達ができるようにはなりましたが、村で暴れてしまった青鬼は赤鬼のために旅に出てしまい、赤鬼はいなくなった青鬼を思って涙を流す・・・というお話です。
教科書にもよく載っている本なので読んだことがある人も多いかもしれません。
「子供の時に読んで印象的だった。子供の時に読んだものは大人になっても記憶に残る物が多いから友人の出産祝いによくプレゼントしている」
という永森さん。
◎いつもいっしょに
1人で暮らしているくまさんの元に現れたうさぎさん。
寒さに凍えるうさぎさんのために、くまさんはスープを出して一緒に飲み、人のためにご飯を作ることの喜びを知ります。
しかし、微笑むだけで何も言わないうさぎさんにくまさんは徐々にいらだち、どう思ってるの?と叫んでしまいます。
その様子を悲しげに見ていたうさぎさんは、次の日家から姿を消し、もう戻ってくることはありませんでした。
永森さん
「読んだ後にちょっと悲しい気持ちになる。自分は何を大切にしたかったのかを考える本。
くまさんにとって相手と一緒にいることが大事だったのか、うさぎさんとコミュニケーションを取れないことが悪かったのか、相手に満足できない自分の問題なのか…」
「泣いたあかおに」や「いつもいっしょに」などの絵本に通じるものとして、
「絵本は哲学的なテーマのものが多いね。キャラクターが人種のメタファー(例え)になっていて人種問題や人間関係の教訓にしていることもある。絵本であっても大人になってから分かる本や読み取り方が変わる本もあるよね」
と話してくれました。
◎聖☆おにいさん
ブッダとイエス・キリストが地上の生活を満喫するため、東京・立川にお忍びでアパートを借りて生活する様子が描かれた漫画。
お忍びのはずなのに、2人の側近である天使や弟子たちが入れ替わり立ち替わりアパートにやってきたり、うっかり奇跡を起こしたり後光を放ったり、神であるが故に起こる独特の出来事が魅力です。
永森さん
「これを読んでいるだけで仏教やキリスト教のことが知れて勉強になる。本のテーマも日本じゃなかったら炎上してるかもしれないね」
異なる宗教の行事も自国文化として取り入れてしまう日本だからこそ「違う宗教の教祖が共同生活を送る」なんてトンデモ設定が受け入れられるのかもしれませんね。
『血液型の説明書』や『いつもいっしょに』は時計の修理などで待つお客様の待合スペースにいつも置いてるそうですよ。
時計の電池切れの時には永森時計店で直してもらうついでに今回紹介された本をチェックしてみてはいかがですか?
●今回ご紹介いただいた本
◎血液型 自分の説明書シリーズ
著:Jamais Jamais
出版:文芸社
◎泣いたあかおに
著:浜田廣介(文)・池田龍雄(絵)
出版:偕成社
ISBN:978-4033020204
◎いつもいっしょに
著:こんのひとみ(文)・いもとようこ(絵)
出版:金の星社
ISBN:978-4323013749
◎聖☆おにいさん
著:中村光
出版:講談社